2017年 03月 31日 ( 1 )
スキーのテクニックについて思うことと警笛


今年もナスターレースの国内の三大大会は終了して、10名のウィスラーカップ選抜チームが編成されまました。

おめでとう!

出発は411日。

U16はスーパーGGSSL

U14はパラレルとGSSL

過去に選抜されたことのある子もいれば、初めての子も。

各国チームと一緒に食事をしたり、パレードに参加したりと、彼ら彼女らのいい経験になると思っています。

どうしても書いておかないといけないと思ったことを書きます。
<長くなるけどごめんなさい>


先日スキー技術選手権大会が開催されました。

僕は観に行っていないのですが、北海道に会場を移して盛況だったようです。

そこでみんなが滑っているテクニックについて、ちょっとおかしいと思いました。
抱え込み?のような動きばかり。

もちろん技術選がFISとかワールドカップとかのアルペンレースとは全くの別物だということが前提にありますし、内足加重と言っていた時期もあったりして、全くの別のスポーツだとわかっていて、こちらは気にしなければいいのでしょうが、それでも地方のコーチたちが少なからず影響を受けてしまうこともあり、さらに最近の滑り方(テクニック)はあまりにも方向性が違うと思ったので、書かせてもらいます。

強く感じたのは、先日白馬八方尾根でHEAD x VOLVOのイベントがあり、技術選上位にいた若手スキーヤーと一緒に滑って、技術選の滑りをしてもらい、真後ろで良く観察しました。

彼女は元アルペン選手なので、普通の上下動のある滑りもできる上で、

スキーの本来持っている基本的な動きを排除して、上下動なく、抱え込み(もどき)でターンが終わったらしゃがむ動作をしています。

本人もおかしいと思いつつも、こうしないと点数が出ないとのこと。

いくらスキーがカービングスキーになったからといって、僕は車がオートマになっただけで、基本的なことは変わっていないと思っています。
上下動は必要だし、スキーをたわませることも必要だと思います。ストックをつくことや、リズムを作るために先行動作を少し加えることなど。

まぁ技術選の人たちは何か考えがあってやっているのかもしれないし、僕は批判するべき立場でもないので、僕の立場としては、アルペンスキー選手を目指すジュニアとそのコーチ・保護者が間違った方向に行かないよう、アルペンスキーのテクニックとして、何をどう考えるべきかを書いておきたいと思います。

そうしないと、万が一アルペンスキー選手を目指す子供達が、間違った技術を教わり、それを一生懸命練習しても、本当に違う山を登っていることになってしまいます。

ここから先はシンプルに書きたいと思います。

1) 上下動の重要性
数年前に上下動という言葉を使うなと、とある先輩から怒られ、喧嘩になったことがありますが、今なぜ上下動をさせないのか。
ターンが終わったら立ち上がり、高いポジションに行くということを、なぜ子供達にさせないのか。とても不満です。
改めて書くと、
ターン時「下」であり、体は小さくなっている状態
ターンとターンの間「上」であり、立ち上がって体がまっすぐに伸びた状態
上下動をターンと一緒にしていかないと、スキーはたわんだり戻ったりしません。滑っている本人が小さい動きだと、スキーも小さくしかたわまないので、小さい弧は描けません。



※よく聞くのが「頭を動かさない」という教え方。絶対にダメです!!!
多分トップ選手の頭があまり上下に動いていないというところから、来ているテクニックかと思いますが、それは結果論です。
子供達に教えることではないです。
そもそも、トップ選手たちは上下動をしていないわけではなく、上下動をしていて、たくさんの力が上下に動いている中で、左右に(内傾外傾)大きく動くから、結果、頭が動いてないように見えるのです。
真似るべきところは上下に動くところであり、頭の位置ではないのです。
ユースの頃に上下動をし続け、動きが体に染み込んで、初めて効率よく最小限の動きで最大の力を引き出せるようになるのですが、ユースの時代から動かなかったら、ずっと力を生み出すことを学ばずに大きくなることになります。
頭の位置の事を教える、しかも動かすなと教えるコーチは世界中日本だけかと

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※これもよく聞くこと「山側に立ち上がってはいけない」
そもそも気にすべきことが違うかと
もしこのためだけに立ち上がらないのだとしたら、そもそも速く滑ることを諦めていることだと思います。
単純に、立ち上がる動作をした上で、その動き方を変えればいいと思います。
特に、ターン終了時に外傾の姿勢から、くの字姿勢を維持したまま思い切り立ち上がれば、谷側に立ち上がる意識をしなくても、体は自然と谷川に立ち上がります。
海外のコーチは必ずターンが終わったら立ち上がるように教えます
日本の選手たちも、もっとちゃんと立ち上がって欲しい。中腰から中腰に動いても、力を生み出せません。
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2) 力を生み出すこと、スキーを踏むという日本語
よく聞きますよね。スキーを踏め!とか。
スキー踏んでもたわまないと思うのは僕だけでしょうか? 
そもそもそれを言っているコーチは踏んで滑るのでしょうか?
日本語の解釈の違い???
体重を乗せる!であればわかる。
トランポリンの選手が、高く飛ぶために床を踏む?感覚というより、体重を乗せて、床が戻るときに一緒に立ち上がるからこそ、高く飛べるのだと思います。
静止状態から踏んでも何も起きないと思います。
運動によって力が生まれるので、トランポリンの上でただ立っている状態から踏んでも何も起きませんよね?
1旗門目はスピードもなく力も生まれないのでスキーがたわまない。踏んだところでたわまないわけです。
2−3、3−4旗門と進むにつれて、トランポリンと一緒でたわみが徐々に大きくなり、それを解放することでスキーは走るし、ターンのときにたわませることで、より小さな弧を描け、小さな弧がより大きな力を生むのです。

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3) 抱え込みの動作
技術選で乱発している抱え込みの動き。
くれぐれも知って欲しいのは、抱え込む動きは、本来は次のポールまでの時間がなさすぎるときのオプションテクニックであり、基本技術ではないのです。それもスキーがたわんだ反動を吸収するためでの抱え込みであり、反動がない状態で抱え込む動作をすることは、ただの「しゃがみこみ」です。
姿勢を更に低くするだけで、アルペンスキーのテクニックとしては何のメリットもありませんので、くれぐれもアルペンレーサーは技術選の滑りを真似しないようにして欲しいと思います。

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ユースの教え方、アルペンスキーの技術論が海外と違うのも、言葉の壁による情報の少なさだったりするのだろうけど、日本のジュニア・ユースの選手層の厚さ、選手数の多さはヨーロッパにも対抗できるはずです。
なのに、皆のやろうとしているテクニックの方向性が違っていれば、みんな世界のトップを狙えませんよね?

そこにきて技術選のテクニックが「絶対に真似してはいけない」テクニックを良しとしているので、アルペンレーサーはぜひ正しい方向の練習をすることで世界を目指して欲しいと思っています。

いつもこういうことを書いてお叱りを受けたりしますが、子供達が一生懸命トレーニングしてワールドカップの世界を目指しているのだから、正しく導く義務が僕らにはあると思っています。
間違ったテクニックを大人の都合で広めて、正当化してはいけないと思います。

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ご意見ある方はぜひ書き込んでください。

by gakuhirasawa | 2017-03-31 15:49 | ski



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