スキーが”うまく”なるということ
良く聞かれるんだけど、スキーが”うまくなりたい”、または”速くなりたい”けど、どうしたらいいのでしょうか?って。

そもそもスキーが”上手くなる“【美味くなる、では決してないけど】ということの定義が難しいよね。

日本には世界にはない、ちょっと変わったスキー種目があって、それがスキー界の一番大きなところを占めるようになっている。知っているとは思うけど、“技術戦”っていう種目(?種目なのかな?なんなのかな?ワールド?)

技術戦って名前なぐらいだから、上手さか技術を競ってるんだろうと思うわけですが、そもそも”上手い””下手”の定義があやふやだと思うわけですよ。
しかもジャッジが順位をつけちゃったりするわけだし。
昔々、ジャンプ台のランディングバーンを滑りたくて、技術戦の前走をしたことがあるけど、最後までイベントの趣旨と目的がわからなかったので・・・。だから未だにわからないわけですが、まぁワイワイやってる楽しそうなイベントだなと思ってます。

本題としては、僕の考える“スキーの上手さ”っていうのはこんなことなのではないかと思う。

『自分が滑りたいところを滑ることができる技術を持っている』
別に言い方をすると、
『色々な滑り方ができる』『引き出しが多い』

こんなシンプルなことだと思うわけです。

たとえば、数年前に富士山の山頂から友達と滑ってきたけど、雪はグサグサ、スプーンカットになっていて、滑りずらいったらありゃしない。
しかも急だし、3kmぐらい下まで木もないし、転んだらコロコロと転がっていって、大怪我しそうな斜面。
一緒に行った友達がスキーが”上手い“連中だったから、安心して“心配しないで“滑れたけど、ちょっと不安な連れだったら“嫌だな”って思ったのです。

その安心感の元になったのは、彼ら3人(4人で登ったので)が自他共に認めるスキーの”上手い”人間で、まぁこれぐらいの斜面は自由に降りれるテクニックの幅を持っている、と安心できる仲間だったからですね。

要するにどんな斜面でも色々なテクニックを駆使して降りて来れるわけです。

その色々なテクニックを持っている、というところが”上手さ”だと思うのです。
僕はそれを“引き出しの多さ”と呼ぶけど、後ろのポジション、前のポジション、片足、両足、ずらす、ずらさない、等など、色々なテクニックを持っていると、その瞬間の斜面、雪質、スピードなどの条件に合わせたテクニックを引き出しから”ひょい”と出して使える、そういうのが“スキーがうまい”っていうんじゃないかと思うのですね。

レーシングの世界でも、スタートからゴールまで、色々なターンと斜面と雪質があって、同じ滑り方だけではダメなのです。そこには色々な小さなテクニックが必要になってくる。
大げさに言うと、50旗門あったら50通りのターンをしなければならない場合もあるのです。速く滑るためには。その瞬間に必要なターンをしなければならないわけだし、イレギュラーも発生するし。

ここ数年、ジュニアレーシングの世界を見てきて、ちょっと危機感を感じるのが、どうも日本のスキー技術というのは、”型”を目指しているのではないか?と思う時が多いのです。

子供たちも、大人も、技術戦に出ている人たちと同じように、何かの“型”を目指してしまっている感じがする。

悪く言うと“カッコ”良い滑りを目指してしまっていたりする気がする。

まぁ技術戦はそいう言う世界だから良いとしても、レーシングの子供たちが“カッコ”だけで滑ると、一見上手そうで、整っているけど、本質を知らずに滑っているのと、引き出しの数が少ないので、斜面変化や雪質が変わると対応できなくなったりするのです。

それがここ数年、ウィスラーに日本トップの小・中学生の選抜チームを連れて行って感じていること。

みんな“カッコ”は良いのです。
でもね、レーシングスキーの本質である“スキーをたわませる“だとか”引き出しを多く持つ“ということができてない。

日本の子供たちを地方で教えているスキーの指導者たちは気がつかないのでしょうか?

だから、僕は切に願うわけです。
“引き出し”の多い選手になってほしい。
“引き出し”の多い選手がいっぱい出てきてほしい。

狭い日本のスキー場で手っ取り早く“引き出し”を多く持つ練習の一つが“スキークロス”という手もあったりするわけだし、他にも夏のトレーニング【滑る以外の】にもヒントはいっぱい転がっていると思う。

僕の昔のコーチのクリスチャン・ライトナー氏はよく言っていました。
『ポールの中で技術の上達はあり得ない!ポールの中ではポールの中でしか習得できないことに集中すべし。例えば、ライン取りだとか、タイミングだとか。ターンの技術などはフリースキーの中で習得しなければならないし、同じことをポールの中で習得しようとしたら10倍以上時間がかかる』と。

だから日本のレーシングの子供たちにも、ポールから出て、山を滑ってほしい。山のいろいろな斜面を色々なテクニックを駆使して滑れるようになってほしい。

なんて思ったままに綴ってみました。
一応うちの親はスキースクール経営してるんだけどね・・・。だからスキースクールを否定しているわけではないのですよ。
前記した”技術戦”ってイベントは、スキーインストラクターのお祭りみたいなものだし。でもそれに出場している人たちは、選手じゃないよね。選手じゃ。(みんな自分たちや出場者を選手って呼んでいるけど・・・)
ごめんね、技術戦の先にオリンピックはないし、しょうがないよね。

僕は純粋に未来のオリンピック選手を応援しています!
by gakuhirasawa | 2011-08-23 01:13 | ski
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